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社長の独り言

【アホリズム⑥】 システムコンサルが失敗する理由

2014.09.18

業務システム導入は、いくつかのプロセスに分けることができ、一般的用語でいえば、企画、設計、製造、検査、検証となります。 この中で、システム開発会社が行う作業は、コンピュータシステムを構築するための設計、製造、検査のプロセスになります。

では、企画および検証とは何でしょうか? すごく簡単にいえば、何を作り、どのような結果を期待するのかを決める作業が「企画」、期待通りの結果になったかどうかを確認する作業が「検証」ということになります。

 システムを利用する企業にとって、いつも自分たちでやっていること、自分たちでこれからやりたいことであっても、文書にまとめ、必要なシステムを列挙することは容易ではありません。 企画作業は業務に関する包括的な知識が必要であることと、実施プロセスを定義する計画能力、計画を実施遂行する管理能力を必要とするため、人的資源の問題から自社独自で企画することは難しいのです。 システムコンサルティングとは、これら自社で遂行することの難しい企画、遂行作業を代行し、顧客企業とともに業務システムを開発、導入することが主な任務となります。

これらプロセスをさらに大きく分ければ、文書上で行う、企画、計画作業と実際にシステムを作る設計、製造作業があるといえます。 ここで問題となるのは、業務システムの開発、導入に際して、何をつくるべきかを考える企画よりも、実際につくる製造のほうが「圧倒的に大変」ということです。

ある意味、顧客企業は日ごろやっている業務の延長または改善として業務システム導入を検討するのであり、また、企業活動の基本的活動は大体同じなので、何をつくるべきか自明である部分も多々あります。 きれいに文書にまとめる、漏れ余りなく文書を作成することは専門的知識と経験が必要ですが、はっきり言ってそんなに重要ではありません。

企画文書がしっかりしているに越した事はありませんが、だいたい方向性があっていれば問題になりません。 しかし、業務システムは機械ですので、抜け漏れが1箇所でもあれば、当然動きません。 そして、予定通り作ったとしても、そのとおり何の問題もなく動くことはまずありません。 設計がしっかり出来ていたとしても、現実は紙の上で考えたとおりには、なかなかいかないものです。

このような事情から、実際に作る作業と分離したシステムコンサルティングには問題があります。 紙の上ではきちんとできている、何を作るべきかはしっかり決まっており、遂行計画もしっかりできている。 仮にそのような状況になっていたとしても、製造段階では予期しない、想定できない問題に出くわす訳です。

この場合、企画はしっかりできているのでシステムコンサルティング担当者には責任はありません。 さらには、システムコンサルティング担当とシステム開発担当がまったく関係のない別会社であった場合、ますますコンサルティング担当には責任はなく、放置する以外に方法はないのです。

信じられないような事実ですが、システム開発プロジェクトの6割は失敗に終わるといわれています。 できたけども、有効に活用できなかったというわけではなく、でき上がらなかった件数が全体の6割に上ります。 そして、システムコンサルティングを中心とした(コンサルティング主導の)システム開発プロジェクトの実に8割は失敗します。 オーバル周辺で見聞きしたコンサルティング主導のシステム開発プロジェクトで、うまく行ったというものはひとつも聞いたことがありません。

オーバルテクノロジーでも、システムコンサルティングのみを行ってほしいとの依頼がよくあります。 しかし、オーバルはコンサルティングのみの依頼はお受けしていません。 上述のように、製造に関して責任が持てない、責任がないので、逆に口出しすることもできないためです。

オーバルでは、システム企画は顧客企業で行うものとしています。 そして「企画支援」として、文書の作成、検討会の開催など、顧客企業が、自ら企画を遂行できるように取りはからいます。 オーバルも企画作業に参加していますので、製造上、難しいものや不可能なものなどは、事前に情報を提供し、制約となりそうなものを事前に緩和する努力をしております。

これらの方法は、失敗しやすいシステム開発プロジェクトのリスクを下げ、成功確率を大幅に改善していると思います。 オーバルでは、恐ろしく苦労するシステムプロジェクトはよくありますが、納品不能、納期大幅超過、予算大幅超過など、失敗プロジェクトとなったものはひとつもありません。

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