設計作業をイメージすると、紙や画面に向かって設計図を書いている風景を想像すると思いますが、これは設計作業ではありません。 設計したことは紙に書いておかないと忘れてしまうし、他のものと設計情報を共有しなくてはならないので、設計したものは図面に書いておくことが必要です。 設計書は設計作業の結果記録です。
設計書に書かれるものは、どこにも存在しないので、設計者は頭の中にあるものをせっせと紙に書き起こしているのです。 外から見えるのは作図作業しかないので、この作業が設計のイメージになるのです。 作図は手間と時間がかかるので、複数人で行う場合もありますが、本当の設計は設計者の頭の中だけにあります。
設計とは、最終的に作る「物」の物理的属性を決めることです。 この時決めた物理的属性のことを「仕様」と言い、日本語の「とうしよう」「こうしよう」の「しよう」と同じです。
1つのシステムを構築するだけでも、決めなくてはならない仕様は、おそらく数千、数万はあると思われますが、この仕様1つ1つは、全てが整合していなくてはなりません。 すべての仕様を洗い出し、すべての仕様の整合を取り、必要なものをすべて書き出すことが設計なのです。